2006年のアンディ・パートリッジのインタビュー「僕の音楽がイギリス臭いのは自分がイギリス人だから。アメリカ風の音楽をやってもイギリス臭くなる。歌詞はノスタルジックなイギリスを描くことが多い」「ノスタルジアとは老人用のヘロインだ。それは危険かもね」
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”僕の歌詞はノスタルジックな”イングランド”の光景が多い。””人の手の入っていない素のイギリスというのは驚くほど美しい。”
2006年 アンディ・パートリッジのインタビュー
「僕の歌詞の作り方は音を聴いて、その音がどのような音なのか歌詞で表現しようとする」とパートリッジは語る。「コードをかき鳴らして、"これは卵の殻のような滑らかな音だな”とか思っていきなり卵の歌を書くんですよ。”このコードは土のような音だ"と感じれば、突然”イースター・シアター”が出来上がる」
往々にして、パートリッジが歌詞で表現するのはずばり”イングランド”だ。
パートリッジの描く“イングランド”とは、ポール・マッカートニーの”ペニー・レイン”のロータリー(環状交差点)や郊外の青い空ではないし、レイ・デイヴィスの”ウォータールー・サンセット”のような霧に包まれた地下鉄の駅でもない。パートリッジの歌はたいてい、なだらかな丘陵地帯、収穫祭(ハーベスト・フェスティバル)、中世初期のイギリス居住地(イングランド・セトルメント)といった異教的な英国にある。
「現在のイギリスというよりも、自分がこうあってほしいと思うイギリスというのが僕の歌詞の常なるパターンだと思います。人の手の入っていない素のイギリスというのは、もう信じられないほど美しいから。現代のイギリスについては、特に魅力的に思う点はないなあ。高速道路と携帯電話の電波塔とマクドナルドがあるだけ。きっとノスタルジーなんでしょうね」
「誰かが言ってたんですよ、“ノスタルジアとは老人用のヘロインだ”って。30歳を過ぎた頃からその“ヘロイン”常用者になって、うとうととノスタルジックな至福に浸ってしまうんです。それって危険かもね。でも、僕の音楽がイギリス臭いのは僕がイギリス人だからですよ。いわゆる”輸入された”アメリカ風の音楽を扱っても、それが自分の腸を通っていくと、どちらかというとイギリス臭い音楽となって現れるんです」