XTC Best Band Ever

XTC is the best band ever. Period.

アンディがビートルズのレインについて語る「世界最高峰の頂点に立った旧ビートルズはこの曲で華麗なる大爆死を遂げた」「レノンが暗殺された日、リバプールで『レイン』を演奏。涙が頬を伝って流れた」 

 レノンが暗殺された日、リバプールのギグで『レイン』を演奏した。悲しみで涙が頬を伝って流れた。 

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アンディが大好きなビートルズの曲『Rain』について語る

 

この曲について話し出したら永遠に続けられる。僕にとってRainが象徴するものは、ギター2本/ベース/ドラムで出来る音楽の全てをやり尽くし、エベレスト山頂へ登り詰めた旧ビートルズが遂げた壮大な大爆死である。その後、彼らは次の目的地サイケ色の夕闇に向かい、山頂から下っていったのは必然的だった。

 

スウィンドンのユースクラブのラジオで初めて耳にしたのは13歳の時。曲が終わらないうちにもう一緒に歌ってた。逆回転のボーカルに戸惑った。何故、"ネア(Nair)"について歌ってるんだ?ってね。"ネア"は母親が良く足に塗ってた除毛クリームの名前だったので。(注:"Rain"を逆回転すると"Nair"と聞こえる。)

 

僕には共感覚的なところがあるが、この曲を聴くたびブロンズ色が目に映る。ギター・サウンドはちょうど古代ギリシャ風の盾2枚が閃光を放ちながら打ち合う感じだ。ベースは素晴らしいプレイを見せつけている。実際、これ以前にベース・サウンドが効いたレコードはタムラ・レコードくらいだろう。また、ビートルズはこの作品で初めて録音速度で遊び始めた。そして、ドラムはこれまでにないくらいにでかい音で、強く打ち叩いてる。これより凄いスネアの音を聴いたことある?歌詞的には支離滅裂、辛辣な童謡、純真な「俺たち」VS「あいつら」といったところ。「あいつら」とはつまり常識ある普通の人間達。雨、太陽、そして、生きる上でついてまわる素晴らしくも陳腐なことを避けようとするあいつら。果たして生きているかさえ分からないあいつら。

 

レノンが暗殺された日、XTCはリバプールでギグをしたレインと歌の形が似ているタワーズオブロンドンの終結部でレインの歌へと移行した。悲しみで心が引き裂かれそうで、涙が頬を伝って流れた。それは、これまで感じたことのない奇妙な感覚だった。